これまでの連載で、次の一手を1つだけにする話や、止まった案件を拾い上げる話を書いてきました。
今日は、その中でもいちばん痛い壁です。お金の話です。働いたのに、お金にならない。請求の取りこぼしについて書きます。
社長
蔵人
またやってもうた
私はADHD気味の自営業者です。仕事そのものは、なんとかやりきれます。問題は、納品した「あと」です。
納品して、お礼のメールをもらって、達成感でいっぱいになる。——そこで、私の中の案件は「終わったこと」になってしまいます。でも本当は、まだ終わっていません。
- 納品で満足して、請求書を出すのを忘れる
- 請求したつもりで、実は下書きのまま止まっている
- 請求はしたが、入金されたかどうかを確認していない
- 数か月後に「あれ、あの案件のお金もらったっけ?」となる
働いた時間は確かにあるのに、お金にならない。これは精神的にも、地味にいちばんこたえる失敗でした。
なぜ請求を忘れるのか
先に、いちばん言いたいことを書きます。これはお金にルーズだからではありません。
ADHDの脳は、大きな達成(納品)で「完了」と感じると、そこにぶら下がっている地味な後処理(請求・入金確認)への注意がふっと切れます。請求は、納品ほど刺激がなく、締切も曖昧で、つい後回しになる。だから抜ける。意識の問題ではなく、注意の向き方の問題です。
普通のタスク管理ツールは、作業(納品まで)は管理してくれても、「お金を回収したか」までは見てくれません。請求と入金は、ツールの外にこぼれ落ちやすいのです。
つまり、必要なのは「納品までのタスク管理」ではなく、納品の先にある「請求した?」「入金された?」まで見張ってくれる仕組みでした。
AIに「請求の取りこぼし」を洗い出してもらう
そこで、案件の状態をAIに渡して、「請求すべきなのにしていない案件」「入金が未確認の案件」を洗い出してもらうようにしました。お金の抜け漏れだけは、人間の記憶に任せてはいけません。
納品したあとの請求や入金確認を忘れがちです。
以下の案件リストから、お金の取りこぼしを洗い出してください。
各案件を、次のどれかに分類してください。
1. 【要請求】納品済みなのに、まだ請求していない
2. 【入金未確認】請求済みだが、入金を確認できていない
3. 【完了】入金まで終わっている
そのうえで「今日やるべきお金まわりの一手」を、優先度の高い順に並べてください。
案件リスト(案件名 / 納品したか / 請求したか / 入金されたか):
- 例)B社LP制作 / 納品済み / 未請求 / -
-
-ポイントは、案件を「納品・請求・入金」の3段階で見ることです。多くの人は「納品したか」で案件を終わりにしますが、お金の視点では、入金が確認できて初めて完了です。この3段階で見るだけで、こぼれていたお金が見えてきます。
社長
蔵人
毎回これをやるのが面倒で、アプリにした
このやり方はよく効きました。でも、お金の確認のために毎回案件を書き出すのは続きません。そこで、案件の状態をアプリに持たせて、請求の取りこぼしを向こうから出すようにしました。自分用の案件管理アプリ pm-app です。
このアプリは、案件に「完了 / 請求済み / 入金済み」の状態を持たせて、納品したのにまだ請求していない案件を「請求候補」として参謀ダッシュボードに出します。こちらが思い出す前に、「これ、請求した?」と向こうから聞いてくる。お金の抜け漏れを、アプリが見張ってくれるわけです。
請求を覚えておく努力を、自分からアプリ側に移す。そうしたら、「働いたのにお金にならない」がなくなりました。これは効果がいちばん分かりやすい機能でした。
この pm-app は、いまスターター版として配布できる形に準備中です。整い次第、このブログでもお知らせします。
まとめ
請求を忘れてしまうのは、あなたがお金に無頓着だからではありません。「納品の達成感の裏で、地味な後処理を覚えていられる人」を前提にした働き方を、続けようとしていただけです。
必要なのは、気合いで覚えておくことではなく、案件を「納品・請求・入金」の3段階で見張ること。まずはAIに、未請求と入金未確認の案件を洗い出してもらうところから始めてみてください。働いたぶんは、ちゃんと受け取りましょう。