前回、Obsidianを外部記憶にする話を書きました。全部を1箇所に放り込んで、AIに整理させる。今日はその続き、「案件が終わったあと」の話です。
2年ぶりに昔のクライアントから連絡がきました。「前と同じ感じでお願いします」。……前と同じ感じって、何やったっけ。
社長
蔵人
またやってもうた
案件が終わるたび、デスクトップのフォルダは外付けHDDに移動しています。デスクトップが散らかるのが嫌だから。それ自体は正しい判断です。
でもHDDの中は「なんとなく年代順」の闇でした。前回の見積もり、最終データ、先方の担当者の癖。全部どこかにはある。どこかには。
探すのに1時間。見つからなくて、結局あいまいな記憶で見積もりを出して、あとで前回より安くしてしまったことに気づきました。またやってもうた。
社長
蔵人
社長
蔵人
なぜ詰まるのか
ADHD脳の「案件終わりあるある」を分解すると、こうなります。
- 終わった瞬間、その案件への興味が消滅する(次の締切に脳を全部持っていかれる)
- だから「締めの記録」を書かないままフォルダだけ移動する
- 数年後、記録ゼロのフォルダの山から発掘作業をするはめになる
つまり問題は整理整頓ではありません。「案件が終わった瞬間に記録を書く」という、一番やる気が出ないタイミングの作業を、自分の意志でやろうとしていることでした。
意志でやることをやめて、AIの儀式にしました。
AIに任せる部分
作ったルールは3つだけです。
ルール1:役割分担を固定する
- デスクトップ=作業場(重いファイル。終わればHDD行き)
- 外部記憶=司令塔(案件ごとの記録。ここは永遠に動かさない)
- 残すのはフォルダへのリンクじゃなく、記録そのもの
ルール2:案件が終わったら一言伝えるだけ
「〇〇終わったよ」と言えば、AIが勝手にやってくれます。
- 完了日・成果物・確定金額をログに記録
- 申し送り(次回このクライアントで気をつけること)を書き残す
- クライアントのページに履歴を1行追加(このページは案件が終わっても消さない)
- HDDに移動したらリンクだけ張り替え
ルール3:AI秘書が1問ずつ聞いてくる
記録に「未確認」と書いた場所を、AIが覚えていて、あとで選択肢つきで1問ずつ聞いてきます。
「この案件、入金済みだけど完了にしていい?」——ボタンを押すだけ。まとめて10問聞かれたら逃げますが、1問なら答えられます。ADHD向けのUIは常に「1つずつ」です。
社長
蔵人
実際のプロンプト
案件クローズの指示は、こういう内容です。コピペで使える要約版です。
案件のクローズ処理をしてください。
1. この案件のログに完了記録を追記:完了日/最終成果物/確定金額/
申し送り(次回同じクライアントの案件で知っておくべきこと)
2. ステータスを「完了」に変更
3. 作業フォルダの場所が変わったら、記録内のパスを1行だけ書き換える
4. クライアントのページに「(完了 日付)」を追記。ページ自体は削除しない
不明な点は推測せず、1つずつ私に質問してください。ポイントは最後の1行です。AIに「1つずつ聞け」と明示すると、秘書っぽさが一気に出ます。
使ってみた結果
- 案件終わりの「記録書かなきゃ…」が消えた。一言伝えるだけ
- HDDにフォルダを移しても、記録側は何も壊れない(パス1行の張り替えだけ)
- 数年ぶりのクライアントが来ても、ページを開けば過去案件の履歴と申し送りが全部並んでいる
- 「未確認」の山が、AI秘書の質問リストに化けた。放置した罪悪感が「あとで聞かれるから大丈夫」に変わったのが大きい
まとめ
残すべきはファイルへのリンクじゃなく、記録そのものです。フォルダは動く、記録は動かさない。
一番やる気が出ないタイミングの作業(締めの記録)こそ、AIの儀式にします。クライアントのページは永久保存。案件は終わりますが、関係は終わりません。AI秘書には「1問ずつ聞いて」と頼みます。まとめて聞かれたら、人間は逃げます。
「きちんと管理」は今日も無理でした。でも、AIに一言伝えることはできました。それでいい。